●業務経歴について簡潔に述べてください。
○平成■年から平成■年まで■■大学大学院に在籍し、■に関する研究を行いました。
卒業後平成■年に■建設に入社して今年で■年目になります。その間、トンネル、河川改修、立坑築造、配水池築造工事の現場に従事しまして、施工計画、施工管理を行ってまいりました。
平成■年より■支店に転勤となり現在は■市の■築造工事に従事しております。ここ5年ほどは明かり工事の構造物築造の施工計画、施工管理が主な業務となっております。
●現在の業務、立場は?
○■市の■工事に従事しております。工事主任として施工計画、施工管理および役所との設計変更等の打合せや折衝の業務を行っています。
●業務1(題材:仮桟橋)について工事の規模、概要を簡潔に述べよ
○既設浄水場内でSMW、グラウンドアンカーによる山留め後に、既設配水池撤去と掘削を行いまして、新設配水池を築造するものです。
○形状、構造は72m×93m×高さ5.5mのフラットスラブ構造です。配水池の容量は15000tです。
○コンクリート15000m3、鉄筋1400tの構造物です。
地中連続壁6000m2 掘削工5万m3
●業務1経験論文について簡潔に説明してください。
○この業務は配水池築造工事における仮桟橋の計画についてです。従来の仮桟橋には2つの課題がありました。
○1つは止水性で
仮桟橋支持杭は底版、上床版を貫通するため止水上の弱点となります。
○2つ目は構造物施工時の施工性で
支持杭、ブレス、水平つなぎ材等が鉄筋組み立て、型枠組み立て等の施工性を低下させる。
これらの問題点の解決策として
○支持杭を構造物である柱のなかに埋め込む方法を採用しました。
(パターン1)採用にあたり支持杭の固定方法や、サイズについて検討し、結果として施工性の向上と水密性の高い構造物の築造を実現しました。
(パターン2)採用にあたって2点の検討課題がありました。
○1つは支持杭の固定方法です。
柱の帯鉄筋のかぶりを確保するために支持杭の建て込みに高い精度が要求されました。そこで支持杭先端にボルト穴を穿孔したエンドプレートを取り付け、均しコンクリート上にケミカルアンカーを打設して固定をしました。
○2つ目は支持杭のサイズについてです。
施工性、品質に及ぼす影響等を考慮してH350の採用を決めました。
これらの課題を解決し漏水のない構造物を構築したという内容です。
●これらはあなたの発案で行ったのですか?
○私の発案で、計画も私を中心として行ったものです。
●補足事項はないですか?
○止水性とは関係ありませんが、仮桟橋の組み立てに工夫を施しました。支持杭3本と受け桁を陸組みしさらに、ブレスも陸組みの時点で上部を固定し一緒に立てこむことにより、高所作業を減少させました。安全性を高めることが出来ました。
○仮桟橋の撤去後、切断された支持杭の頭部には従来工法同様、止水モルタルを充填し、鋼材腐食の防止対策を行いました。
●杭頭の処理は鋼材の腐食を考えると考えが浅いのではないですか?
○確かにそのとおりであると思います。今から思えば切断後、コンクリートから頭を出している部分だけでもエポキシ樹脂を塗布するなどの処置を検討する必要があったと考えます。
●この業務で苦労した点はありますか?
○この業務に直接関係ないのですが、スラブコンクリートと仮桟橋の受桁とのクリアランスが20cm程しかなかったため、桟橋直下のスラブに関して、鉄筋組み立ての作業、天端の測量、コンクリートの仕上作業等に苦労しました。仮桟橋の高さに関しては周囲のアプローチ部との関係でスラブ部分をそれ以上高くすることは出来ませんでした。
●支持杭に配筋用の穴は穿孔したのですか?そのときの強度低下は考慮したのですか?
○穿孔しています。例えば上床版の上筋では主筋がフランジを、配力筋がウェブを1本ずつ貫通しています。
欠損させた断面でも検討は行っています。
●補強筋は入れたのですか?
○入れていません。鉄筋の欠損部はなく、配筋の際、H鋼と接触してしまうものについては鋼材に貫通用の穴を穿孔しました。
●他の工法の検討は行ったか?
○従来工法で、止水材の種類について検討しました。しかし底版、上床版を貫通していることには変りはなく、採用には至りませんでした。(ウルトラシール、スパンシール、2重巻き)
●コストの比較を行っているが具体的に説明してください。
○まず支持杭の材料費と設置費ですがH400が最も高くなります。次にH300とH350はブレス、水平材の材料及び設置撤去費がかかります。これらを加算するとH400、H300、H350の順となります。ただし従来の方法で施工した場合、さらに支持杭の撤去、撤去後の止水モルタル設置等が必要となり、たとえH300を使用した場合でも今回の施工は7%のコストダウンとなりました。
●支持杭の切断位置はどのようにして決めましたか?
○スラブ天端より50mm下としました。トンネル標準示方書(開削工法編)によれば床版での切断位置は保護コンクリート等を設ける場合以外鉄筋のかぶり部分とすることになっています。今回の場合、上部に保護コンクリートがあったためかぶり10cmの半分としました。
●この桟橋は他の構造物にも採用できるか
○壁構造であっても採用できると考える。支持杭のピッチは構造物の形状によって変わるが、桁のサイズを変更することで対応できると考えます。
●クレーンの作業半径はどの程度必要でしたか?
○20m程度
●最大の重量物は何トンでしたか?
○25tクレーン+つり荷重6tの計31tです。
●環境対策をなにか行っているか
○掘削工事の際には散水車を場内に走らせ、粉塵発生抑制に努めています。
○産業廃棄物の分別収集を行っています。
●グラウンドアンカーの定着部はどのような土質となっていましたか?
○砂質土です
●業務2(題材:高流動コンクリート)について工事の規模、概要を簡潔に述べよ
○立坑本体の形状寸法は内径19m〜23m、壁厚2〜4m
底版厚5m、深さ62m、掘削深度62m
コンクリート13000m3、鉄筋2000t、掘削38000m3
底版:コンクリート2850m3、鉄筋600t 210kg/m3
○この業務は大深度立坑底版部の構築の計画についてです。当初底版部は高炉セメントを使用した普通コンクリートの3層打設が計画されていました。構造は直径27m厚さ5mのマスコンクリートであり、また過密配筋であるため、打継ぎ部のレイタンス処理や、バイブレータによる締固めが困難であることなどの問題があり、解決策として高流動コンクリートの打設を採用しました。採用にあたり、マスコンクリートであること、大深度であること、等の特殊な条件のもと配合選定や打設方法について検討を行い、配合選定試験、試験施工を結果を踏まえて実施工を行いました。
●補足事項はないですか?
○今回の高流動コンクリートのタイプは粉体系、増粘剤系、併用系のうち粉体系を採用しております。高流動コンクリートのフレッシュ時の性状は骨材の表面水の変動等によって敏感に変化します。そこで品質管理の手法が大変敏感になります。今回の施工では、フレッシュ性状の変動の原因となる表面水率の測定を製造開始前、開始後2時間おきに、さらに出荷時のコンクリート性状に変化が見られたときに行いました。また品質管理体制を確立しました。出荷時、荷卸時、筒先に職員を配置し、同一の生コン車に対してスランプフロー試験を行いました。試験結果はただちに、現場内に設置した品質管理本部に携帯電話を使用して報告され、プラントの担当者に配合の修正等を指示できるようにしました。
●この業務で苦労したことは?
○配合選定の試験練り時に、なかなか思うような性状が得られずに苦労しました。具体的には、配合選定にあたりまず、当社の技術研究所で試験練りを行いました。次に試験練りで決定した配合をもとに、プラントで試験練りを実施しましたが、プラントごとに使用骨材が異なっており、思うような性状が得られず、高性能AE減水剤の使用量を変化させて、所要の品質が得られるまで試験を繰り返しました。次に役所立会いのもと各プランとで試験練りを行いましたが、そこでも3社のうち2社が所定のスランプフローが得られず、高流動コンクリートの使用が一時保留となりました。それ以降混和剤メーカーに2週間ほど通い、原因の調査、内容としては表面水率の変化による影響、試験室の温度による影響、混和剤の使用量による影響等について調べました。試験結果からは原因が特定できず、他に原因があると考えました。結果的には石灰石微粉末の粉末度にばらつきがあることが判明し、使用するメーカーを変更する結果となりました。
●石灰石微粉末の粉末度が大きいとスランプフロー等の性状はどうなるか?
○粉末度の影響は,ある程度の粉末度1万ブレ−ン位までは高炉スラグ微粉末などの例からみると流動性は向上すると考えられる.因みに今回使用した石粉は4000ブレ−ン位である.
●経験論文の業務は現在生かされているか?
○構造物のひび割れに対する認識が高くなりました。
●コスト的な設計変更は認められたか
○認められた。かなりの増額(2000万)となったが、役所の担当者にわれわれの説明をよく理解していただき納得していただいた。
●温度ひび割れの発生はどこに発生すると予想したか?温度ひび割れの解析は底版のどの部位についておこなっているのか?
○左右対称として半分断面で実施.解析結果は,底版中央部と表面でひび割れ指数を検討している。
●高流動コンクリートの施工管理のポイントは?
○品質管理が最重要。筒先で所要の性状を持っていなくてはならない。筒先で流動し、自己充填という機能を果たさなければならない。出荷、荷卸し、筒先に至る経過時間と性状を確認し、結果をフィードバックしながら出荷時の高性能AE減水剤の使用量、表面水率の設定を変えていくことが重要となる。
●今回の高流動コンクリートのタイプは?
○粉体系
●なぜ粉体系を選択したか?
○増粘剤を使用する増粘剤系、併用系よりも経済的だから。今回の場合3プラントを使用したがいずれも粉体サイロを確保できるところであった。増粘剤の投入設備,あるいは投入人員の確保などの費用および投入体制の問題がある。
●粉体として石灰石微粉末を採用した理由は?
○強度発現がなく、温度ひび割れ抑制にも効果的であるから。
●高性能AE減水剤の種類は?
○ポリカルボン酸系
●高性能AE減水剤の性能について述べて下さい。
○空気連行性があり、AE減水剤よりも高い減水性能(18%以上)と良好なスランプ保持効果を持つ。
ポリカルボン酸系、ナフタリン系、アミノスルホン酸系がある。
●s/a(細骨材率)はいくらか?配合は?
○s/a=50% 水165 セメント300 石灰石微粉末275
細骨材777 粗骨材782 W/C=55% W/P=29%
●セメント量はどうやって決めたのか?
○温度応力解析結果より決めた。 C=300kg/m3については,土木関係企業先の仕様では,一般にセメント量
270kg/m3以上となっている.仕様に則ればC=270kg/m3でよいが,通常C=300kg/m3程度を考慮し,セメント量を固定した.
●ひび割れ指数の定義を述べて下さい。
○コン示方書にあり
●ひび割れ発生確率が20%に改善されたとありますが、これで何がわかるのですか?ひび割れないのですか?
○このひび割れ発生確率とは1本以上のひび割れが発生する確率です。ですから発生の確率低いと言えます。ひび割れ指数について説明しますと、1.2以上であれば、ひび割れの発生をできるだけ防ぎたい場合に相当します。
●ひび割れ指数はコンクリート標準示方書の中で記述が変わったと思いますがそれについて知っていますか?
○
●打設実績は?
○150m3×19時間=2850m3
●配管の径は?
○5インチ
●過密配筋のレベルは?
○210kg/m3≒606t÷2850m3
●今回の高流動コンクリートに要求される自己充填性能は
○自己充填性レベル2(鉄筋量100〜350kg/m3)
●将来の展望として完全無人化施工との記述はどういう意味ですか?
○今回の施工ではシャッターバルブが手動による開閉だったので、そこを自動化できればと考えております。
●掘削工事はどのように行いましたか?
○揚土方法は垂直ベルコンを使用しました。80m3/hの揚土能力がありました。掘削は土質が土丹層であったため、ツインへッダーにより削りとった後、バックホウにより残土を垂直べルコンに投入しました。
●高流動コンクリートの性質は
○従来のコンクリートと比較して単位粗骨材量が少なく高性能AE減水剤や高性能減水剤の使用量が多い。
ブリーディング、レイタンスが少ない。
●高流動コンクリートの今後の課題としてどのようなことがありますか?
○高流動コンクリートにおける今後の課題として、以下の点が挙げられます。
(1)高流動コンクリートの経済性について
高流動コンクリートは、粉体量の増量や高性能AE減水剤や増粘剤など混和剤の使用による材料費の増加や、製造時間の増加によるコストアップなどにより、普通コンクリートに比べて単価が高くなります。一方、締固め不要に伴う、作業人件費の削減効果はありますが、これらを考えあわせても普通コンクリートの単価に比較して高流動コンクリートの方が高くなる場合も多いようです。今後は高流動コンクリートの特性を考慮した新しい構造形式の発案などにより構造物トータルでの建設費用の算定や、高流動コンクリートの適用による品質の信頼性や向上を反映したライフサイクルコストの考え方を導入した費用の算定などにより普通コンクリートとのコスト比較を行う必要があると考えます。
(2)高流動コンクリートの品質管理の簡素化
高流動コンクリートの最大の特徴は自己充填性であり、この性能を検査する試験方法には、U形またはボックス形の充てん装置が用いられています。また、品質管理試験としてスランプフロー試験や漏斗を用いた流下試験がよく用いられています。高流動コンクリートは加振機の力を借りず、コンクリートの自己充填性のみにより打ち込まれることや、コンクリートの打設状況の目視が困難な箇所に打ち込まれる場合が多いため、品質管理試験の種類やその頻度が普通コンクリート以上で実施されている場合が多いようです。このことは高流動コンクリートの施工が煩雑となる理由の一つとなっており、品質管理方法やその頻度の検討が必要です。これらの解決策と一つとして、コンクリートの荷下ろし時、あるいは打ち込み前にすべてのコンクリートを自動的に試験できる全量受入検査装置などの適用も試みられています。また、フレッシュコンクリートの性状の安定性に最も影響を及ぼす骨材の表面水率のばらつきに影響されない新しい計量方法なども考えられています。
(3)高流動コンクリートの製造体制の簡素化
高流動コンクリートはJISコンクリートではないため、その製造管理は多くの場合生コンプラントと施工業者が一体となって行われています。このことも高流動コンクリートの施工が煩雑であることの一因となっており、高流動コンクリートのJIS化や高流動コンクリート製造管理者の育成が必要であると考えられます。
●流動化コンクリートとの違い
○あらかじめ練り混ぜられたコンクリートに流動化剤を添加して流動性を増大させたコンクリートである。
●高流動の採用に伴うコストUPはかなり大きい。(2000万くらいか?) 施主としてはどのような判断で採用に踏み切ったか。
●連壁面にシート防水をしていた。あれは本体構造物と連壁を縁切りする機能も持ち合わせているのか?
(連壁から漏水がなくてもなんらかのシートを設置するか?)
○基本的には本体コンクリート硬化時の連壁の拘束を低減するために実施する。未施工の場合、拘束クラックが発生する可能性が非常に大きい。止水と言うよりも、坑内ディープウエルへの導水目的もある。
●今回の連壁には高流動を使う必要はなかったか?
○100m以下程度の連壁であれば必要はないと考える。単位セメント量やS/a、骨材の種類、AE減水剤の種類等で対応できる。
●連壁の根入れがかなり小さいが、土質が土丹層だからか?
○根入れが土丹層のため、その強度により短い根入れでOK。ただし、連壁沿いの泥膜層沿いに地下水の回り込み及び連壁のクラックからの漏水があり、盤ぶくれの懸念があったため、リリーフウエルやスーパーウエルを行った。
●設計変更にはどのような業務がありますか?
○側壁のひび割れ対策で誘発目地を設置した件
○温度ひび割れ対策としてコンクリートの配合を変更した件
○既設埋設管位置が図面の位置からズレていたために、土留に支障となり、移設を行った。
○新工種によるもの
○数量の拾い漏れによる変更、例えば鉄筋等があります。
●施工計画をする上で何を一番重視するか?
○まずは顧客の要求しているもの、満足してもらえるものを作ることがわれわれの使命だと考えています。つまり品質です。現在の工事であればコンクリートのひび割れ、漏水に対する対応です。それから安全です。私は作業員の命を預かっているという気持ちで現場の安全管理に当たっています。また今は休業4日以上の災害を起こすと指名停止等のペナルティーがあります。このようなことが起こると、大きな工事の入札を控えていた場合、会社にとって莫大な損害を与えてしまいます。そのような観点からも安全管理は重要です。次にコストです。企業である以上利益の追求は常に念頭においていなくてはなりません。ちょっとした仮設備工事であっても使用材料、施工方法等についてコスト比較して決定するようにしています。次に工程です。工程は当然守るべきものなので日々の中で特に意識はしませんが、週間工程表や月間工程表を作成していくなかで工期短縮の方策を探っています。
HOME